西黒尾根ルートで谷川岳に登ってきた。
紅葉を見に訪れた事は何度かありますが、登ったことはありませんでした。
谷川岳はロープウェイ、リフトを使って天神峠まで行くことが出来ます。天神峠からは双耳岳(トマの耳、オキの耳)まで約2時間。手軽に登れるため夏はなかなか混雑するそうです。
そこで、リフトが運休中の6月27日に登ることにしました。登れなかったら途中で引き返そう。そう思い挑んでみました…が、
登山初心者の私が挑むにはちょっとハードルが高かった!
山の怖さを再認識。高い所が苦手なのにどうしてこのルートを選んだのだ、と計画を立てた自分を本気で恨みました(笑)
滑落しそう、高さにめまいが、と過去に体験したことない怖さでしたが、それと同時にとても楽しかった。(下山した今だから言える事だと思いますが)
登っている最中はもう二度と来ない!絶対無理!と思いましたが、下山した後は「また登りたい」とやっぱり思ってしまうのです。
怪物がいっぱいいる山は、刺激もいっぱいでした。
ちなみに、西黒尾根は距離約3.7㎞、標高差1,300m弱で、日本三大急登のひとつです。
あとの二つは、「北アルプス烏帽子岳のブナ立尾根」と「南アルプス甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根」。
コースタイム(5時間半)
駐車場:白毛門登山口の土合橋手前、無料駐車場
西黒尾根登山口(8:40)⇒ラクダの背(10:40)⇒ガレ沢のコル(10:50)⇒トマの耳(12:10)⇒休憩30分
⇒オキの耳(12:55)⇒谷川岳肩ノ小屋(13:10)⇒熊穴沢避難小屋(13:50)⇒田尻尾根分岐(14:10)⇒田尻尾根入り口(14:45)
8:40 谷川岳登山指導センターの前を通過し、西黒尾根登山口からいよいよ出発します。
この日はとても暑く、下界は35度を越える真夏日。
山中は日差しが遮られますが、登山口直後からの急登に汗が止まりません。朝水分をあまりとらなかったことが災いし、途中で脱水症状を起こしてしまいました。
くらくらするし足元もおぼつかない。これはやばいと、ポカリを飲んでしばし休憩をとります。やめるか、どうしようかで悩みながら日陰で休み、なんとか視界も晴れてきたので少しづつ進むことにしました。
山頂まで3時間。長~い道のりなので、かなりスローペースで登りました。コースタイムは標準タイムと変わりません。
ぜえぜえと登っていると、後ろから来た男性に軽々と追い越されました。この日は追い越されることしかなかったです(笑)
怪物がいっぱいで、驚かされることばかり。
視界が開けると、遠くにロープウェイの駅が見えました。
あれ?あそこまで行って、また降りるのですよね?正直不安になります(笑)
登山開始から2時間ほどで視界が開けました。一の倉沢の万年雪が見えてきます。
見えてからが長い。
そう聞いていたのですが本当に長かった!
山中を進むより稜線歩きの方が楽しいかも。そんな淡い希望は登った後には言えません(笑)
でも良い景色。白毛門がとてもきれいでした。次は登ってみたいです。
10:40 ラクダの背に到着。
ここに至るまで3箇所の鎖場がとても怖かった…。そもそも鎖場を経験したことがなかったので、よく登れたなあと今でも驚きです。戻りたいけど戻るのはもっと怖い!ということで進みます(笑)
岩を登っていた時にドクターヘリが旋回しているのに気付きました。何かを探していたのかな?しばらくして飛び去ったので、良かったような不安のような。
これだけでも感慨深いのですが、先はまだまだ長いです。
鎖場の写真はひとつもないので(すみません)tachigiさんのヤマレコがわかりやすいです。
ラクダのコル、厳剛新道との合流地点です。
これほど写真を撮る余裕のない山ははじめてでした。
この先、急登の意味を知ることに。
登るか、下りるか。正直何度も迷いました。でも怖くて降りられないので(え?)進むしかない。退路を断たれると、人は強くなるのかもしれません。
ザンゲ岩の少し手前で、肩ノ小屋から降りてくる山小屋の方にお会いしました。このルートをその荷物を背負って降りるのか!ものすごく尊敬。
登山者に声を掛けながら降りているようで、この日は小屋に誰もいなくなると聞いてちょっと不安に(笑)
山ではじめて「あとどのくらいですか?」と聞いてしまいました。
「ザンゲ岩まで行けば、ここより傾斜もきつくないので30分くらいで行ける」とのこと。全然辿り着くイメージがありませんが、なんとか進むことに。
少し登ってから振り返ると、既に姿が見えませんでした。この尾根を降りる怪物には、他にも高校の山岳部らしきメンバーがいました。
見たことある標識が見えて来ました!
登って来たルートはいずこ??
12:10 トマの耳に到着。
足ががくがくしてました。はじめての経験です。
方向盤で見える山を確認。でも高さで目がくらみまくりです。ダメダメです。
お決まりの三角点タッチ。
絶景を見ながらおにぎりタイム。頑張った今日はスイーツ付きです。少ないですが登山者の方が休憩していたので、話をしながらホッと一息。
クッカーも揃えていきたいな。
絶景かな~。また見に行きたいです、うん、たぶん。
トマの耳から眺めるヲキの耳。山頂に人が立っています。
12:55 オキの耳に到着。
身を乗り出して撮ればもっと良い写真が撮れると思いますが、む、むずかしい…。少しづつ高所に慣れていけるように頑張ろう。
オキの耳からトマの耳を望む。
この中間あたりで中国人(?)の男性が写真を撮っていました。
稜線沿いではなく、いまにも落ちそうな絶壁の上やルートから少し外れた所まで行って撮っていました。すごかったです。きっと良い写真が撮れるのだろうな。うらやましいです。
13:00を過ぎると雲が出て来て、急にあたりが暗くなってきました。
周りにいた登山者もいつの間にかいなくなっていました。素早い。
肩ノ小屋。
途中まで天神尾根コースで降りて行きます。
13:50 熊穴沢避難小屋
下りは早いです。前にひとり女性がいたので、一緒に降りてきました。
なんでこんなに鼻水が出るのかな~?と思っていたら、ずっと下を向いていたからでした。ちょっと驚きです(笑)
木道から谷川岳を見上げると、あの頂上に自分がいたなんて嘘のようです。
14:10 途中の分岐点から田尻尾根へ入ります。
田尻尾根は泥が滑って足を取られるので、最後まで気が抜けませんでした。何度かズルズル滑りながら降りて行きます。
14:45 田尻尾根入口
どこへ出るのかな?と不思議に思っていたら、ロープウェイの下の道に続いていました。工事用道路みたいな道です。その道を更に15分ほど下ります。
道沿いに行くと、ベースプラザ駐車場の下、無料駐車場に近い道路に出ました。そのまま道路を下り、駐車場へ。無事に着いてホッとしました。
水場で顔を洗ったりして一息ついてから今日のルートはちょっと欲張りすぎたな、と感じました(笑)それでも、谷川岳に登ったおかげでその後に登る山はそれほどきつく感じなくなりました。
さてさて、帰りの温泉は「温泉センター 諏訪の湯」へ。
お湯はカルシウム硫酸塩泉で、泉温42.7℃。微硫黄臭、ほぼ無色透明・微青掛り。源泉名は諏訪ノ湯。
出典:温泉センター諏訪の湯(群馬県) - BIGLOBE温泉
日帰り入浴
料金:入浴のみ300円、休憩こみ3時間500円
営業時間:9:00~21:00(受付20:30まで)
定休日:金曜日
浴室は内風呂のみの小さな公衆浴場みたいな温泉です。地元の方が通っているのか、3名が入っており、それで洗い場はいっぱいでした。直ぐに出て行かれたので、貸し切り状態に。やったー。
お湯に入って疲れた足や肩をもみほぐすと、じんわり体が温まりました。石鹸もドライヤーも何もないので持参しないとですが、温泉は気持ちよかったです。
山の魅力と怖さを再認識した、なかなかスリリングな1日でした。