秩父江戸巡礼古道の旅〜1日目〜
東秩父~札所一番~札所九番まで。
2016年3月22日(火)はれ。最高気温17℃、最低気温‐1℃
7:40 落合バス停出発
この日はいいお天気。気持ち良くスタートです。
朝早いうちはまだ寒く、パーカーにウィンドブレーカーを羽織って歩いていました。
徐々にあたたかくなってきたら長袖シャツにTシャツ。気温差が激しいので、上着は1枚余分に必要かと思います。
東秩父は花桃の里としても有名で、3月下旬~4月上旬にピンクの花が見られます。
8:10 粥新田峠入口
ここから峠越え。
すれ違う人は誰もいないけど、さくさく歩きます。ハイキングコースって書いてあったけど、道は木が通せんぼです。
土手に菜の花がきれい。まだ桜はまだ薄いピンクのつぼみかな。あと数日で開花しそうな。
8:50 粥新田峠
峠からの下り道で、はじめて武甲山を見ました。これから毎日眺める山だとは、この時全く気付いていませんでした。舗装道路が多くて歩きやすいです。
はじめて「巡礼道」の札を見た時はとても嬉しかったです。やっとはじめの地点に辿り着いた感じかな。
これから毎日、この札を探して歩く日々。
そのまま巡礼道を進みます。山道や民家の裏をてくてくと、落ち葉の上を歩きます。
9:50 一般道に出て休憩
チョコとあめを持ち歩いていました。甘いものが欲しいときに嬉しいです。
10:35 札所一番誦経山(ずきょうさん)四萬部寺(しまぶじ)着
はじめての札所はなんだかそわそわします。
山門で一礼してから中へ。丁度バスツアーで巡っている団体さんに遭遇しました。皆白衣を着ていたのですが、ここで買ったのかな?
自分も納経帳と御影入、金剛杖を購入しました。
ろうそくをあげて(人の火をもらうのは他人の業をもらってしまうとされるためNGです)線香を3本立てます。(身蜜、口蜜、意蜜を表します)
納札(事前に購入し、日付以外を書いておいた)を納札箱に入れてお賽銭。
札所では、一連の流れを繰り返します。
ちなみにお参りのやり方はお遍路さんを参考にしました。秩父巡礼はそれほど厳しくないようなので、それほどこだわらなくても良いかと思います。
紅梅が見頃でとてもきれいです。写真を撮ったり、境内をあちこち散策したり。
納経所の方が札所2番への行き方を丁寧に教えてくれました。
木蓮が見頃でした。
金剛杖は相棒として、この巡礼を支えてくれました。
呼び名が欲しいな、と思ったときふと出てきたのが「先生」だったので、これから先は「先生」と呼ぶことにしました。ひとりで歩くよりも楽しいので。
札所二番までは杉林に囲まれた傾斜のきつい坂が続きます。秩父は杉林が本当に多いです。花粉症の方は時期に要注意です。
11:20 札所二番大棚山(おおたなさん)真福寺(しんぷくじ)着
紅白の梅を見ながら階段を上ります。
ここは納経所が別になっていて、お参りのみできます。先ほどの団体さんが般若心境を唱えていました。
この時点ではまだ読経しないで黙って聞いていました。
お参りを済ませると、ツアーのガイドさんがひょいっと寄って来て、
「ここはお寺なので、合掌だけでいいですよ」
とこっそり教えてくれました。
なぬ!そうか、二礼二拍手一礼やってました。これじゃあ神社ですよね。は、恥ずかしい。親切に教えてくださりありがとうございます。
階段を降りる時に、巡礼している年配のご夫婦に会いました。ほのぼの。
この方たちは車で巡っているそうだが、札所三番でも一緒になり「早いね、頑張ってますね」と激励してくれました。
12:10 札所二番納経所光明寺着
お参りし納経を済ませてから一休み。新しくてきれいなお寺です。
その間に、バスツアーの団体さんはバスへと乗り込み、次の札所へ。今日は札所五番まで行くと言っていたのですが、この後結局一度も会いませんでした。
ツアーで巡る場合、納経帳のページもしくは白衣など御朱印をもらう物をガイドさんが一括して管理しているようです。
書いている所を眺めたり、自分で手渡したり出来るのは単独行の楽しみでもあったり。
杖立てに先生を忘れて、あわてて取りに戻りました。早めに気付いて良かった。
歩いている途中、ごめんなさいと謝ります。
12:40 札所三番岩本山(いわもとさん)常泉寺(じょうせんじ)着
着くまでの道は田んぼの中を通ります。
このお寺はアジサイがたくさんあったので、5月~6月頃がいい時期なのでは。この日はまだ小さな芽が出ているだけでした。春まであともう少し。
まわりに住宅はあるのに、とても静かなお寺でした。
この札所三番で額絵に気付きます。
あれ?今まであった?
全く気が付きませんでした。次から気を付けてみよう。
途中でおもしろい橋を見付けました。欄干にはお遍路さんの姿に錫杖かな?歩きでしか行けないようになっていたので、楽しくなります。
13:15 札所四番高谷山(こうこくさん)金昌寺(きんしょうじ)着
大きな草鞋が出迎えてくれます。
なぜ草鞋?と考えてから、ああ巡礼かと納得。ワンテンポおかないとな、のんびり屋です。
草鞋にはお金が挟み込まれていました。どこでもお金をあげたがる姿を垣間見てむにゃむにゃ。
ここはとても興味深いお寺でした。
大きな草鞋を吊るした山門を抜けると、石仏がたくさん並んでいます。本には総数千三百十九体と書かれていました。
誰もいない境内。
石仏にカメラを向けていると、なんだか違う気がして思わず頭を下げました。おみくじの小さなおじぞうさんもたくさん添えられています。
お堂の回廊右手には「子育て観音」がやさしいお顔で座っており、すごく近くに感じました。他では奥の方に鎮座しているので、姿を見るのがやっと。
お寺と共に強く記憶に残っている場面です。
お寺の横で休憩。お昼の時間です。
おなか減ったあ。これからしばらくはおにぎりお昼。
お腹がいっぱいになると元気が戻ったので、まだまだ行きますよ。
14:15 札所五番小川山(おがわさん)語歌堂 長興寺(ごかのどうちょうこうじ)着
ここは札所四番の次ということも重なっているのか、簡素なお寺でした。お参りをしてから納経所へ向かいます。
案内図をもらい、七番→六番→八番→九番→十番→十一番の順で巡ると効率が良いと教えてもらえました。
途中田園風景が楽しめる場所を通ります。当たり前ですが、土のみ。夜景萌えじゃないけど、工場萌えしそうな「三菱マテリアル」発見です。
夜までいないから夜景は見られないかな?なんて歩きながら思っていたのですが、結局いることになったので(笑)
夜景もしっかり見られました。明かりは少なめだったけどきれいでした。
15:05 札所七番青苔山(せいたいさん)法長寺(ほうちょうじ)着
境内は広く、とてもきれいなお寺です。段々疲れが出てきて雑になる写真。
15:35 札所六番向陽山(こうようさん)卜雲寺(ぼくうんじ)着
納経所の方がとても親切で、丁寧にいろいろ教えてくれました。
ここで四国八十八ケ所と秩父三十四ヶ所の違いをはじめて知ってびっくり。もうちょっときちんと勉強しておけば良かったです!小さな蛇腹折りになっている般若心境を見つけて購入。翌日から読経するようになりました。
自分は御影も貰っていたのですが、若い人には珍しいと感心され(若くないのですが)掛け軸にした見本を見せてもらいました。
なるほど、床の間がある家は飾れそうです。祖母の家には四国八十八ケ所の掛け軸があったのですが、御朱印が押された物でした。観音さまははじめて見たので感動です。
お世話になったお礼を述べ、次の札所へ。
途中で地元の方に声を掛けられました。 納経所の方もそうでしたが、「ご苦労さまです」「お大事に」と言われます。
一人で歩いて巡っていることを話すと、おばあちゃんは「偉いねえ」と笑顔に。トトロを思い出す笑顔です。次の札所への道を教えてくれました。
今回の巡礼、人の力を借りずに全て自分でやろうと思っていました。
でもそんなの思い上がりでした。
教えてもらったり、優しくされたら「ありがとう」と素直に受け取ればいいのかな。
笑顔で応えるだけでいいのかな。
受け取って、歩く間に何度も思い出せばいいのかな。
せっかく巡礼の旅に出たのだから、出会いを大切にしないなんてもったいないです。
ほくほくした気持ちで顔を上げると、武甲山が見えました。
今度登りたいです。
登った記事はこちらから。
16:05 札所八番清泰山(せいたいさん)西善寺(さいぜんじ)着
ここは紅葉が見られるようです。次に来るなら紅葉の時期かな?
近所の方がお参りに来ていて、
群馬から来たことを伝えると「渋川のシャンソン館に最近よく行くよ」と話が弾みました。自分は行ったことがないので笑い話に。泊まって巡っているのか?と聞かれたことも多かったですが、戻って朝また来ていると伝えると少し驚かれました。
そろそろ時間が危なくなって来たので、それぞれお参りして出発。道に迷いながら歩きます。
16:40 札所九番明星山(みょうじょうさん)明智寺(あけちじ)着
あれ?お堂が閉まってる?
なんと!や、やられた。
納経所によっては時間が短いとは聞いていたけど、最後に間に合わないとちょっと悲しいです。ベンチで休憩しながら、今日1日を振り返ってしまいました。
しばらくは「あそこで道を間違えなければ」とかいろいろ考えたけど、いくらジタバタしても開いていないなら仕方ない。
明日出直せばいい。どうにもならないことはさっさと諦めて次へ行く、というのは歩き巡礼ならではでもかも。
今後もバスや電車の時間があったり、本数が少ない為に何度も時間調整することになると、次第に考え方が変わって、悩む時間が勿体無いと思えるようになりました。
一日中歩いてくたくたです。
この日は横瀬駅から徒歩10分の場所にある武甲温泉に行ってみました。
炭酸泉(高濃度1000mg/l含有)のお風呂です。
入ってみるとちょっとぬるめ。不感温度浴なのかな?と思ったけれど、ずっと浸かっていられるのでそれも良しです。手足に小さな気泡がたくさんつくのでシュワシュワ拭うのが楽しいな。
地域の人が集まる場所になっているようで、顔見知りが多かったようです。
「今日のお湯はぬるかったんね、入ってたら風邪ひきそうで入れなかった。はじめて」
という話を聞き、なぬ!?と振り返る。炭酸泉いつもはもっと熱いらしいですよ。まあ、そういうこともあるさ。
19:00 横瀬駅着
今日はここまでです。良く歩いたなあ。さて、明日へバトンタッチです!
総歩行距離:26.7㎞(33,378歩)
使用金額:12,310円
(御朱印帳1,500円 御影入1,800円 金剛杖1,800円、御朱印300円・御影200円×8=4,000円、お賽銭80円 交通費 2,510円、温泉 700円)
1日目のルート。
使用したマップはこちら。
御影(札所一番~八番まで)